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​物語

待ちに待った夏休みをようやく迎えた二ツ森勝巳は、余暇を過ごすため六人の仲間たちと共に、姉の友人が所有する山奥の洋館を訪れる。

人里離れた地にひっそりと佇むその館はまさしく異様という他なく、始めのうちこそ皆戸惑いを隠せずにいたが、鮮やかな緑に囲まれながら友と分かち合う非日常はどれも新鮮で輝かしく、いつしか美しい記憶となって心の中を満たしていた。

しかし、ひとりの少女の死によって幸福な時は崩れ去る。

固く閉ざされた室内に突如として現れた無残な死体。

それは果たして事故か自殺かあるいは他殺か。

この不可解な死の真相を解き明かすべく、残された者たちは深い悲しみを乗り越え事件の検証を開始する。

だが大切な仲間の喪失は着実に皆の心を蝕んでいた。

やがて生まれる疑心や不和。

あたかもそれらに導かれるように、七人の世界は終局へと歩んで行く。

そして少女たちは虚無のなか、ただ無垢に祷り続ける。

ああ、どうかあの人が――

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